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窃盗で逮捕されたあとの流れ 逮捕のリスクや対処法も解説

更新日: / 公開日:
窃盗罪が成立する要件と逮捕後の流れを知っておきましょう(c)Getty Images
ちょっとした出来心で人の物を盗んだとしても、他人が占有している物を奪う行為は窃盗罪に該当します。 窃盗で逮捕された場合、警察から検察官に送致され、起訴または不起訴のいずれになるかを判断されます。起訴された場合、窃盗罪の法定刑である「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑」を科せられる可能性が高まります。 窃盗事件は、初動がその後の結果を左右するケースが多々あります。生活への影響や前科がつくリスクを減らすためには、早い段階で弁護士に相談し「被害者との示談を成立させる」「自首する」「警察や検察の捜査に誠実に協力する」などの対応を検討しましょう。 窃盗罪が成立する要件や窃盗罪で科せられる刑罰、窃盗で逮捕されたあとの刑事手続きの流れ、逮捕されないケースについて、検察官経験のある弁護士がわかりやすく解説します。

目 次

1. 窃盗とは?

1-1. 窃盗罪の3つの要件

1-2. 窃盗罪の刑罰|10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

1-3. 窃盗罪は未遂犯でも処罰される

2. 窃盗罪で逮捕される場合の刑事手続きの流れ

2-1. STEP1|立件(捜査への着手)

2-2. STEP2|逮捕

2-3. STEP3|【逮捕後48時間以内】検察官への送致(送検)

2-4. STEP4|【送検後24時間以内】勾留請求

2-5. STEP5|【最長20日間】起訴前勾留~起訴または不起訴

2-6. STEP6|起訴後勾留~公判手続

2-7. STEP7|判決の確定、刑の執行

3. 逮捕されない場合(在宅事件)の刑事手続きの流れ

3-1. 警察からの呼び出し、取り調べ

3-2. 書類送検

3-3. 検察官による呼び出し、取り調べ

3-4. 起訴または不起訴の判断

3-5. 略式手続または刑事裁判

3-6. 判決の確定、刑の執行

4. 窃盗をすると必ず逮捕される?

5. 窃盗罪で逮捕された場合のリスクとデメリットは?

5-1. 仕事やキャリアへの影響

5-2. 学校生活への影響

5-3. 家族関係や人間関係への影響

5-4. 前科がつくリスク

6. 窃盗罪で逮捕された場合に、重い刑事処分を避けるためのポイントは?

6-1. 被害者との示談を成立させ、被害弁償を行う

6-2. 自首する

6-3. 警察や検察の捜査に誠実に協力する

6-4. 【最重要】早めに弁護士に相談する

7. 窃盗と逮捕に関してよくある質問

8. まとめ 窃盗で逮捕された場合はできるだけ早く弁護士に相談を

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1. 窃盗とは?

窃盗罪は、他人の物を勝手に持ち去る犯罪です。どんなに小さな物でも、安い物でも、人の物を奪うことは、刑法で定められた窃盗罪に当たり得ます。

1-1. 窃盗罪の3つの要件

窃盗罪が成立するには、次の3つを満たしている必要があります。

【他人が占有している財物であること】
「財物」とは、お金や物などの形があり、財産的価値のあるものです。データ自体は形がなく財物ではありませんが、データが入ったUSBを盗んだ場合には、USBの窃盗罪が成立します。また、電気は形がないものの、例外的に財物にあたると見なされます。そのため「充電禁止」と明示されているカフェでこっそりスマホを充電した場合は、電気窃盗が成立する可能性があります。

「占有」とは、所有者であるかどうかにかかわらず、実際に物を支配または管理していることを言います。たとえば、所有者Aさんから借りた物を持っていたBさん(占有者)から盗んだ場合には、Bさんを被害者とする窃盗罪が成立し得ます。

【占有者の意思に反して物を奪うこと】
管理している人の許可なく物を持ち去る行為は犯罪にあたります。万引きや置き引きなどが典型例です。逆に「ご自由にお持ちください」と書かれたチラシのある物を持ち帰っても、窃盗にはなりません。管理者の意思に反していたかどうかが、判断の分かれ目です。

【不法領得の意思があること】
「不法領得の意思」とは、他人の物を自分の物として使ったり、換金したりするなど、自分の物のように振る舞う意思があることです。

そのため、自分で使うつもりはなく、嫌がらせで壊す目的で他人の物を持ち去った場合には、窃盗ではなく器物損壊罪になる可能性があります。盗んだものを「自分のために使う」という悪質な目的があるかどうかが、刑法上は区別されているのです。

1-2. 窃盗罪の刑罰|10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

窃盗罪の法定刑は、10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。拘禁刑とは「懲役刑」と「禁錮刑」を一体化した自由刑です。拘禁刑が科された場合は、刑務所に収監されます。

法定刑の範囲内で実際にどのような刑罰になるかは、事件の内容などによりさまざまです。初犯であれば不起訴や罰金刑で終わるケースも少なくありません。一方、被害額が大きい場合や常習性がある場合は、より重い処分になる傾向があります。

1-3. 窃盗罪は未遂犯でも処罰される

盗もうとしたものの失敗に終わった場合でも、未遂犯が成立することがあります。未遂犯とは、犯罪をしようとしたものの未遂に終わったケースを言い、結果が生じていなくても処罰の対象となります。

筆者が取り扱った事案のうち、ベランダに干された下着を盗もうとして手を伸ばしたものの住人に見つかった事案で「窃盗未遂罪」が検討されていました。既遂(犯罪の結果が発生したケース)に比べて刑は軽くなりますが、犯罪自体は成立し得る点に注意が必要です。

2. 窃盗罪で逮捕される場合の刑事手続きの流れ

警察が窃盗事件の捜査をどのように開始し、その後、どのように手続きが進むのかを見ていきましょう。逮捕される場合、次の図のような流れで刑事手続きが進みます。

逮捕後の一般的な流れを図解。窃盗事件の捜査は、現行犯逮捕のほか、被害者からの通報や被害届の提出などをきっかけに始まることが多い
逮捕後の一般的な流れを図解。窃盗事件の捜査は、現行犯逮捕のほか、被害者からの通報や被害届の提出などをきっかけに始まることが多い

2-1. STEP1|立件(捜査への着手)

窃盗事件の捜査は、現行犯逮捕のほか、被害者からの通報や被害届の提出などをきっかけに始まるケースが多いです。犯人が逃げている場合、警察は周辺の防犯カメラの映像を確認したり、被害者や目撃者への聞き込み捜査などを行ったりして犯人を特定します。最近では、画像が鮮明な防犯カメラが至るところに設置されており、そこから犯人として特定され、逮捕に至るケースは珍しくありません。

2-2. STEP2|逮捕

逮捕には次の3つの種類があります。

【現行犯逮捕】
現行犯逮捕は、犯行中または犯行直後に逮捕する方法です。万引きなどでよく見られます。

【通常逮捕】
裁判官が発付した逮捕状に基づく逮捕を通常逮捕と言います。現場から逃走したあと、自宅に警察が来て逮捕に至るケースが該当します。

【緊急逮捕】
緊急逮捕とは、緊急性が高い場合に逮捕状なしで被疑者を拘束し、あとから裁判所に逮捕状を請求する方法です。犯行現場から逃げていた犯人が突然見つかり、逮捕状が準備できていない場合などが該当します。

窃盗事件では、現行犯逮捕か通常逮捕になるケースがほとんどです。

2-3. STEP3|【逮捕後48時間以内】検察官への送致(送検)

逮捕後は警察署の留置場に入れられ、取り調べが始まります。最長72時間の逮捕中に面会できるのは弁護士のみで、家族でも会うことはできません。警察は、逮捕から48時間以内に被疑者の身柄と証拠を検察官に送致します。

ただし、万引きなど比較的軽微な事件では、警察内で手続きを終了させる「微罪処分」として送検されずにそのまま釈放される場合もあります。微罪処分になるかどうかは事件の内容や前科の有無などによって異なります。

2-4. STEP4|【送検後24時間以内】勾留請求

検察官は送致を受けたあと、引き続き身柄拘束が必要かどうかを判断します。必要と判断すれば、裁判官に勾留(こうりゅう)を請求します。勾留とは、逮捕後も身柄拘束を続ける手続きです。

なお、勾留と似た言葉に「拘留(こうりゅう)」がありますが、こちらは拘置所などで身柄を拘束する「自由刑」という刑罰の一種であり、意味がまったく異なります。

2-5. STEP5|【最長20日間】起訴前勾留~起訴または不起訴

裁判官が勾留を認めると、原則10日間の拘束が続きます。さらに必要があれば最大10日間延長され、合計で最長20日間拘束される可能性があります。仕事や家庭への影響を考えると、この期間をいかに短くするかが重要な問題になります。

また、勾留状が出ると、国選弁護人をつけられるようになります。接見禁止命令が出ていない場合を除き、家族など弁護士以外の人との面会もできるようになります。

検察官は、原則として、起訴するかどうかを勾留期間中に決めます。起訴とは刑事裁判を開いて処罰を求めることを指し、法廷で裁判が開かれる正式起訴と、書面審査で罰金刑を科す略式起訴があります。

起訴しないと判断した場合、あるいはその判断がまだできないという場合には、被疑者は釈放されます。不起訴になればその後に刑罰を受けることはありません。一方、まだ判断できないとして処分保留釈放になった場合には、後日、捜査への協力を求められるケースがあります。

被害金額が高くなく、示談が成立している場合、あるいは初犯の場合には、不起訴や略式起訴になる可能性が高まります

2-6. STEP6|起訴後勾留~公判手続

正式起訴されると刑事裁判が開かれます。

起訴後も身柄拘束が続く場合があるものの、保釈請求を行うことは可能です。保釈が認められれば、裁判が終わるまでの間、自宅から通いながら裁判に臨めます

起訴から第1回公判期日までは、一般的に1カ月から2カ月程度かかることが多く、その間に証拠の整理や弁護の準備が進められます。被疑者が罪を認めている事件の場合、裁判期日は2回ほどで終わるケースが多いですが、罪を否認している事件では何回も期日が開かれます。

最後に判決が出されますが、判決内容に不服がある場合には、控訴できます。

2-7. STEP7|判決の確定、刑の執行

有罪判決が確定すると、刑が執行されます。実刑判決の場合は刑務所に収監されます。保釈中であった場合には、その場で収監手続きがとられます。

一方、初犯で被害額が小さく、被害者との示談が成立しているようなケースでは、刑の執行を一定期間猶予する「執行猶予」がつく可能性が高い傾向にあります。勾留中に執行猶予判決や無罪判決が出た場合には、その場で釈放されます。

逮捕や起訴をされた際、誤った対応がその後の結果を大きく左右する可能性も考えられます。そのため、逮捕直後から弁護士に相談することが重要です。

3. 逮捕されない場合(在宅事件)の刑事手続きの流れ

窃盗事件では、逮捕されずに捜査が進められるケースも多くあります。これを「在宅事件」と言います。犯行が軽微だったり、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されたりした場合には、在宅事件として捜査が進みます

在宅事件の一般的な流れは次のとおりです。

  • 警察からの呼び出しと取り調べ

  • 書類送検

  • 検察官による呼び出しと取り調べ

  • 起訴または不起訴の判断

  • 略式手続または刑事裁判

  • 判決の確定と刑の執行

3-1. 警察からの呼び出し、取り調べ

自宅で生活しながら、警察署に呼び出されて事情聴取を受けます。取り調べは任意ではあるものの、正当な理由なく拒否し続けると逮捕に切り替わる可能性もあるため、基本的には応じるのが賢明です。取り調べでの対応方法については、事前に弁護士に相談しておいたほうがよい場合もあります。

3-2. 書類送検

警察が捜査を終えたあとは、事件を検察官へ送ります。逮捕を伴う場合と違い、書類送検では被疑者の身柄は送致されません

3-3. 検察官による呼び出し、取り調べ

検察庁に呼び出され、あらためて検察官の取り調べを受ける場合があります。取り調べの内容がその後の起訴または不起訴の判断に影響を与えることもあるため、対応方法について事前に弁護士に相談しておいたほうがよいでしょう。

3-4. 起訴または不起訴の判断

検察官が起訴するかどうかを判断します。初犯で被害額が小さく、被害者と示談が成立しているケースでは、不起訴になる可能性が高いでしょう。

3-5. 略式手続または刑事裁判

起訴する必要はあるものの、罰金刑でよいと検察官が考えた場合には、書面審査による略式手続で処理されます。略式手続にするためには被疑者の同意が必要です。略式手続の場合、法廷で裁判を開かなくてよいため被疑者の負担が軽いというメリットはあります。一方で、必ず有罪になるため前科がつくことになります。不安であれば、略式手続に応じるべきか、弁護士に相談するとよいでしょう。

なお、罪を否認している事件の場合や、罰金より重い刑罰が相当であると検察官が判断した場合には正式起訴となり、法廷で刑事裁判が開かれます。

3-6. 判決の確定、刑の執行

裁判の結果、判決が確定すると刑が執行されます。

在宅事件は身柄拘束がない分、日常生活への影響は小さい一方で、対応方法を間違えると量刑で不利になる可能性も考えられます。早めに弁護士に相談しておくことが安心につながります。

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4. 窃盗をすると必ず逮捕される?

窃盗をしたからといって、必ず逮捕されるわけではありません。逮捕は、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることに加え、逃亡や証拠隠滅のおそれがあることという逮捕の必要性が要件となっているためです。

法務省の「令和7年版犯罪白書」によると、2024年に窃盗で検挙された人数は8万3355人、そのうち逮捕されたのは2万6533人で、逮捕率は約31.8%にとどまっています。残りは在宅事件として処理され、逮捕されていないことがわかります。

ただし、次のような事情がある場合は、筆者の弁護士としての経験上、逮捕の可能性が高まります。

  • 犯行現場から逃走した、あるいは警察からの呼び出しに応じない

  • 特定の住居がない、あるいは定職に就いていない

  • 被害額が大きい

  • 窃盗の前科がある、あるいは常習的な犯行が疑われる、余罪がある

  • 共犯者がいる組織的犯行である

逆に言えば、初犯で被害額が小さく、被疑者の身元もはっきりしているケースでは、在宅事件として処理される可能性が十分にあります。逮捕されるかどうか不安なときは、弁護士に相談することをお勧めします。事案によっては、被害者との示談を進め、逮捕を回避できる場合もあります。

5. 窃盗罪で逮捕された場合のリスクとデメリットは?

窃盗事件で逮捕されると、そのこと自体が日常生活に影響を及ぼす可能性があります。

5-1. 仕事やキャリアへの影響

逮捕または勾留されても、捜査機関から会社(勤務先)に必ず連絡が行くわけではありません。そのため、場合によっては、会社を無断欠勤することになり、解雇される可能性があります。

家族や知人が会社に連絡をして無断欠勤とはならなかった場合でも、会社から退職を勧められる可能性があるほか、自分自身も会社に居づらく感じるようになるかもしれません。事件の内容によっては実名報道されたり、最近ではSNSで拡散されたりするなどして、その後の就職や転職の際に不利になる可能性も考えられます。

また、逮捕後に裁判を経て有罪判決を受けた場合には、公務員や医師など一定の職業に就けなくなるリスクもあります。資格制限を受けない業種で働いていたとしても、会社の就業規則に「有罪判決を受けた場合は懲戒処分の対象とする」などの規定が設けられている場合には、解雇される可能性があります。

5-2. 学校生活への影響

学生の場合、逮捕されたことを理由に停学や退学処分を受ける可能性があります。報道などにより広く知られてしまった場合などは特に、将来の進路に大きな影響を及ぼしかねません。

5-3. 家族関係や人間関係への影響

逮捕の事実が家族や、場合によっては親戚や隣人にも知られることで、関係が悪化するケースもあります。事実とは異なるうわさが広まり、家族が周囲の好奇の目にさらされるケースも少なくありません。

5-4. 前科がつくリスク

過去に罰金刑や拘禁刑などの有罪判決を受けた経歴を「前科」と言います。起訴されて有罪判決が確定すると前科がつき、再犯時の刑事処分が重くなるなどのリスクがあります。

逮捕されても早期に示談するなどして釈放されたり、不起訴になったりすれば、前科を回避できます。自身や家族が窃盗罪で逮捕された場合には、できるだけ早期に弁護士に相談することをお勧めします。

6. 窃盗罪で逮捕された場合に、重い刑事処分を避けるためのポイントは?

窃盗事件では、逮捕されたあとの対応次第で、その後の処分の重さが大きく変わることが多々あります。不起訴や執行猶予を目指すうえで押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

  • 被害者との示談を成立させ、被害弁償を行う

  • 自首する

  • 警察や検察の捜査に誠実に協力する

  • 【最重要】早めに弁護士に相談する

6-1. 被害者との示談を成立させ、被害弁償を行う

窃盗事件で最も重要なポイントの一つが、被害者との示談です。示談とは、話し合いのうえで被害者に被害弁償を行い、金銭的な解決をすることです。

なお、示談とよく混同されるのが「宥恕(ゆうじょ)」です。宥恕とは、被害者に罪を許してもらい「刑事処分は望まない」と言ってもらうことです。

窃盗罪は他人の財産上の利益を侵害する「財産犯」であるため、示談が成立すると、経済的な損失は回復した(被害を受ける前に戻った)と評価できます。これに加え、被害者の宥恕が得られた場合、検察官が「被害は回復されて被害者も許すと言っているのだから、あえて起訴して刑罰を与える必要はない」と判断し、不起訴になる可能性が高まります。筆者は元検察官ですが、実際に示談と宥恕があることを理由に不起訴処分にした事案は多数あります

また、起訴された場合でも、示談の成立が刑罰を軽くする方向に働き、実刑を回避することができることがあります。

6-2. 自首する

逮捕されていない段階であれば、自首する選択肢が考えられます。自首とは、捜査機関に犯行が発覚していない場合や、犯人が特定できていない段階で、自ら警察に犯罪事実を申告する行為です。

自首は多くの場合、反省の意思の表れと評価されます。そのため、自首した場合には、逮捕や起訴までの必要はないと判断される可能性が高まります。仮に起訴されたとしても、裁判所が刑罰を軽くする方向で判断する可能性があります。これを「任意的減軽」と言います。

「捕まる前に自首すべきか」と迷っている人は一人で判断せず、まず弁護士に相談し、場合によっては自首に同行してもらうのがよいでしょう。

6-3. 警察や検察の捜査に誠実に協力する

取り調べに対して誠実に向き合う姿勢も、反省の表れと評価されます。捜査機関が把握していない事実を自ら話して捜査に協力したり、自ら証拠を提出したりすることにより、起訴の必要まではないと判断される可能性があります。

ただし、証拠を集める責任は捜査機関側にあります。証拠が足りない場合には起訴することができません。そのため、どこまで捜査に協力するかは慎重に判断する必要があります。迷う場合には、事前に弁護士に相談することが賢明です。

6-4. 【最重要】早めに弁護士に相談する

上記3つのポイントをすべて一人でこなすのは、現実的には難しいものです。逮捕前であれば自首することのメリットとデメリットの比較、逮捕後であれば示談交渉や取り調べに対する助言、釈放後の生活環境の調整や不起訴に向けた弁護活動など、弁護士が関わることで、できることの幅が大きく広がります。

特に、逮捕直後は弁護士以外との面会が制限されるため、弁護士が唯一の外部との窓口になります。この時期に適切なアドバイスを受けられるかどうかが、その後の結果に直結することも少なくありません。

刑事事件は初動が肝心です。「まだ大丈夫」と思っているうちに手遅れになるケースもあります。少しでも不安があれば、早い段階で弁護士に相談することを強くお勧めします。

7. 窃盗と逮捕に関してよくある質問

Q. 窃盗で逮捕された後に弁護士を呼ぶ方法は?

逮捕された場合に弁護士を呼ぶ方法は3つあります。

まず、警察に「当番弁護士を呼んでほしい」と申し出る方法です。当番弁護士は無料で1回面会してくれます。

次に、勾留が決まったあとに国選弁護人を選任してもらう方法です。利用には資力などの条件があるものの、弁護士費用を負担しなくてよい点がメリットです。

3つ目は、接見に来てくれた家族に私選弁護人を手配してもらう方法です。弁護士費用はかかりますが、自分が信頼できる弁護士に頼めるというメリットがあります。

Q. 窃盗事件で警察から呼び出された場合はどうすべき?

出頭する前に、まずは弁護士へ相談することをお勧めします。取り調べでの発言は調書として記録に残り、起訴または不起訴の判断や、判決に影響する可能性があります。

筆者が担当した事件で、警察官が作成した調書に自分が言っていない内容が書かれていたにもかかわらず、その場で署名してしまった結果、裁判でその記載を覆すのに非常に苦労した事案があります。出頭前に弁護士からアドバイスを受けておくことがとても重要です。

8. まとめ 窃盗で逮捕された場合はできるだけ早く弁護士に相談を

窃盗事件で逮捕されると、警察から検察に送致され、起訴になるか不起訴になるかが判断されます。最長で23日間身柄を拘束され、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。逮捕されなくても、適切な弁護活動をしなかった場合には、窃盗罪の法定刑である「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑」という重い処分を受ける可能性が高まります。

これらの影響を最小限にし、刑事処分をできるだけ軽くするためには、被害者との示談を成立させることや誠実な捜査への協力が重要です。そのためには、刑事事件のプロである弁護士からの助言が不可欠です。

初動の対応がその後の結果を大きく左右することを意識し、窃盗で逮捕された場合には早めに弁護士に相談しましょう。

(記事は2026年3月1日時点の情報に基づいています)

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この記事を書いた人

狩野優理子(弁護士)

狩野優理子(弁護士)

新松戸綜合法律事務所 弁護士
千葉県弁護士会所属、登録番号61426。11年間の検察官勤務を経て弁護士となり、都内法律事務所での勤務後に千葉県弁護士会に登録替え。検察官時代は、窃盗・盗撮・痴漢・無銭飲食などの身近な事件から組織的詐欺・殺人事件などの重大事件まで幅広く担当。交通事故専門部では無免許・飲酒運転から死亡事故まで多数の事件を手がけた。弁護士転身後は、罪を否認する被告人の弁護や犯罪被害者側の代理人活動に加え、離婚・一般民事事件、個人・法人の破産を含む債務整理案件も多く取り扱う。
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